ずいぶん前の話になりますが
とある心理系の体験セミナーに参加しました。
そこでは、辛かった頃の自分を思い出して当時言えなかった思いをその頃に戻ったつもりで思いっきり叫ぶというワークがありました。
叫ぶ時には照明が暗くなって
気持ちを煽るようなBGMが流れます。
参加者は50人くらいだったでしょうか
叫びながら泣き出す人も出てきたりして独特の空気が漂っていました。
私も叫んだ方がいいんだよなと思いながらどうしても気持ちが乗らずに冷めた目で叫んでいる人たちを眺めていました。
平日夜なのに50人もの人が集まるくらいなので人気のセミナーなんだと思います。
「抑圧された感情を吐き出せば癒しが生じる」とそのセミナー講師の方は仰っていました。
確かに、激しい感情をどこかにぶつければ一時的に気分は晴れるかもしれませんが悩みの根本的解決にはならないんじゃないかと私は思います。
でも、こういったセミナーが人気なのは強い感情には中毒性があるからではないでしょうか。
激しい感情に馴れてしまうと、地道な心理療法や優しいセミナーでは刺激が弱すぎて満足できなくなってしまいます。
だから、どんどん刺激を求めて刺激的な体験ができるセミナーに通い続けることになるんだと思います。
ちょうど、化学調味料の強い味に慣れてしまうと天然だしの繊細な味が分からなくなってしまうのと同じです。
これって、「幸せ」についても言える事だと思います。
あなたは強い刺激ばかりの生活で、
幸せの感覚を麻痺させてはいませんか?
私も、探検部から始まりバックパッカーワーキングホリデーと好んで刺激的な体験をしてきました。
今でも旅行や新しい経験は大好きです。
でも、そんな生活を続けてきて最近思うことは
本当の幸せって当たり前のありふれた毎日を
幸せだなって思える事なんだという事です。
幸せって本当はとっても薄味なのです。
誰かとゴハンを美味しいねと食べたり
庭の花が咲いたのを喜んだり
雲ひとつない晴天にニッコリしたり
そんなポカポカした陽だまりみたいな生活を丁寧に、味わって生きることが
幸せなんだなって最近しみじみ感じています。
この自粛生活。
つい失ったものばかりに目がいってしまいますが、失ったものと同じ分だけ得ているものがあるはずです。
自分にとって本当の幸せってなんなのか自分は最終的になにを望んでいるのか考えるきっかけを天が与えてくれているのかもしれませんよ。
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